米、イランタンカー巡り制裁の厳格実施を民間海運会社に通達=高官

2019/08/23 更新: 2019/08/23

[ワシントン 22日 ロイター] – 英領ジブラルタル自治政府が解放したイランの石油タンカー「アドリアン・ダリア」(グレース1から改名)について、米国務省の高官は22日、民間の海運会社が直接および間接的に手助けすることがないよう厳格に制裁を実施すると表明した。

同タンカーは地中海を航行中で、米政府は既に諸外国に対し、寄港を認めないよう警告している。高官はロイターに「海運部門に対しては、米制裁を厳格に実施すると通達している」と述べた。

最新の海運追跡データによると、18日にジブラルタルを出航した同タンカーはギリシャに向けて航行していた。ただ、ギリシャのミツォタキス首相は22日、同国には向かっていないと述べている。

国務省高官は、海運部門の全当事者が、米国から制裁指定された団体・個人および貨物との直接あるいは間接的な取引や取引の手助けを行っていないと確認するための万全な調査を行うべきだと訴えた。

ブラルタルは15日、欧州連合(EU)の対シリア制裁に違反した疑いで7月に拿捕(だほ)した同タンカーを解放を決定した。しかし、米ワシントンの裁判所は16日、タンカーの差し押さえ令状を発布。これに対しジブラルタルは18日、米国の要請には応じられないと表明していた。[nL4N25F1YN]

イラン政府は、米国が同タンカーを再び差し押さえようと試みれば「重大な結果」を招くと警告している。

Reuters
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