妻の病気を治すため、薪を売り続けたおじいさん

ミシシッピ州ガルフポートに住むジェシカ・ピットマンさんはこの日、道路脇で何かを売るおじいさんを見かける。車をそばにつけると、そこには他に年老いた女性も座っており、売りの手伝いをしていたという。

彼の名はケネス・スミス。隣にいた女性は30年一緒のヘレンだった。二人はヘレンさんの治療費を稼ぐために、薪売りをしているという。ヘレンさんはシートに座り、道を通る全員に手を振っていた。

Photo courtesy of Leslie Smith

数年前、ヘレンさんは肺がんを患ってしまう。治療のために高額な薬を買っていたが、次第に支払いが滞ってしまったという。それでも妻の病気を治そうと、諦めなかった夫のケネスさん。廃材になった木材を集め、斧で割った後、薪にして一袋5ドルで売るビジネスをスタート。

一年後、ジェシカさんは再度、道端で薪を売るケネスさんを見かけるが、そこにヘレンさんの姿はなかったという。残念ながら、彼女はすでに他界していたのだ。しかし、未払いの治療費を支払うため、ケネスさんはまだ薪を売り続けていた。

Photo courtesy of Leslie Smith

これに心打たれたジェシカさんは、Facebookで「薪が必要な皆さん、ぜひ80歳になるケネスから買ってください。毎日数時間売りに来ます。一つ5ドルです」と彼の代わりに宣伝し、ビジネスを手伝った。同じく、ケネスさんの姿に感動したガルフポートの住人は「去年は、ヘレンさんと売りに来ていました。でも今年は彼一人です」とシェア。

Photo courtesy of Leslie Smith

この親切な人たちの投稿は世界中に拡散され、ケネスさんの薪売りビジネスは軌道に乗る。ケネスさんの息子によると、地域の人たちの協力のおかげで、1週間で10万ドル(日本円で約1千万)もの売り上げをだしたという。

実際に買いに来た人々は「こんなにも多くの人が、誰かのために行動している。みんな大きな心を持っているね」とコメント。

Photo courtesy of Leslie Smith

多くの人の助けを借り、ついに治療費を完済することができたケネスさん。彼は「僕はすごく恵まれている、感激だ」とその感謝の気持ちを表した。亡くなったヘレンさんもきっと、心から安心したに違いない。

Photo courtesy of Leslie Smith

(大紀元日本ウェブ編集部)