ハンドドライヤーは子どもの健康に悪い? 13歳の調査が伝える子どもの耳鳴り

子どもに悪いものを思い浮かべるとしたら、まず大音量の音楽、ですよね。ハンドドライヤー? 洗面所にあるハンドドライヤーが子どもの耳に有害?

子どもの成長過程で「聞く」という行為は大きな役割を果たします。小さいころに耳を傾ける機会がないと、発話、社会的スキル、バランス能力などに影響します。子どもにとって耳へのダメージは、生涯にわたる学習不能や素行問題につながるのです。

カナダのカルガリーに住む10代のノラ・キーガンは、ドライヤーの音が子どもに悪影響を与えるのかを調べることが、自分の使命だと感じていました。自分がドライヤーを使ったときに音が大きすぎると感じていましたし、他の子どもたちが洗面所で耳をふさぎながらドライヤーを使っていたり、まったく使わない子もいたりするのを目にしていたからです。

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ノラは、ドライヤーの音量を測定することにしました。彼女は880にも及ぶやり方で様々なドライヤーについての実験を行い、音量のバリエーションを調査しました。44種類のドライヤーのテスト後、ほとんどのものが100dB以上の音量を出すことが分かりました。

100dBというのは、カナダの法律で玩具やその他の子ども用器具に許可されているぎりぎりの音量です。また、アクセラレータ製ドライヤーが最大の音量を出すことも分かりました。

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ダイソンのエアブレードドライヤーも調べてみましたが、121dBという大きな音が確認されたものもあり、製造者が消費者に伝えている音量より軒並み高いことが分かりました。

実験結果を「カルガリー若者科学フェア」に出展することにしました。実験結果はウェブでも公開され、2社のドライヤー製造業者の知るところとなりました。

アクセラレータ製ドライヤーの所有権を持つエクセルドライヤーは、「自社の設備には音やスピードを制御する省エネタイプのモデルがある」ことを公表し、エアブレードの製造元であるダイソンは、「音響工学のエンジニアを派遣して調べさせる」ことを約束しました。他のドライヤー製造業者も、対応に向かって動くことが望まれます。ノラは、大変だった自身の調査や実験が、ドライヤーの音量規制につながることを願う一方で、規制化には、より一層の調査が必要になることも認識しています。

ところで、「耳をふさぐ」というのは、とても良いアイデアですよね。

(大紀元日本ウェブ編集部)