「怠け者」のワンちゃん 偶然にも7位でハーフマラソンを完走する

アラバマ州のエルモントで開催された第一回ハーフマラソンにおいて、166人が完走しました。完走した走者の内、偶然にも7位でゴールインしたのは、たまたまこのレースに紛れ込んでしまったルディビンという2歳半のブラッドハウンドという犬種のワンちゃんでした。

「用を足す」ように46歳のエープリル・ハムリンが何気なくルディビンを外に出したところ、ルディビンは資金調達のために参加していた他のランナーたちと走り始めました。エルモントで開催されているハーフマラソンは、トラックレス・トレイン・トレックとしても知られており、地元の学校の運動教育プログラムへの資金を調達することを目的として発足しました。

「前日の夜、檻から出してあげたら、あんなところで発見されるなんて思ってもいなかった」と、エルモント高校の進路カウンセラーとして勤務しているハムリンは、レース翌日にFacebook上に投稿しました。「中心地から離れた大きな農場に私たちは住んでいるので、ルディビンはてっきりその辺をブラブラしているだけだと思っていました」と後日ABCニュースに語っています。

ルディビンはエルモント市内でもよく知られた存在であったため、一人で散歩をしていたと聞いても飼い主はたいして驚きませんでした。ところが、ルディビンが13.1マイルを完走したと聞いて、飼い主のハムリンは仰天しました。「ルディビンはのんびりしていて人懐っこい性格なんですけど、ほんとはかなり怠け者なんですよ!」とハムリンは述べています。

ルディビンの飼い主は当初懐疑的でしたが、レース中に彼女の犬を見かけたと友人たちからメールが送られてきたため、信じざるを得ませんでした。ハムリンはTODAY紙に対して、「最初のうちは、この日のために真剣にトレーニングをしてきたランナーたちを妨害してしまったので、レース主催者のバリー・プーグ(同僚でもある)に怒られるのではないかと心配していました」と伝えています。

この年若いワンちゃんは直ぐに競争モードに入り、6位で完走した52歳のティム・ホーバースと共に、レースの大半を走りました。それでもレース中に様々な障害物に出くわしたそうです。

「途中、路上で轢かれていたウサギを食べるために立ち止まっていました」とホーバースはランナーズ・ワールドに語っています。「私が近寄ると、ウサギの頭をくわえたまま私と一緒に再度走り始めたのです」。

レースの後半に差し掛かると、素敵な小川に出くわしたり、2回のトイレ休憩を挟んだり、途中で牛たちとじゃれ合うことで注意力がそがれる場面もありましたが、ルディビンは一定のペースで走り続けました。

「ルディビンは地元の刑務所で追跡犬になるよう育てられたものの、目の前の課題に集中できないという理由から除外された経験があります」とハムリンはTODAY紙に述べています。注意力が散漫であった子犬は、レースを完走するために意識を集中しました。仲間のホーバースがゴールインした直後にレースを完走しましたが、そのタイムは1時間32分56秒という驚異的なペースでした。

ルディビンが新しい趣味を発見したのを見て、ハムリンもランニングをするよう刺激を受けたようです。Facebook上でハムリンは、「私はあんなタイムで1マイルを走ることなんてできないわ。でもルディビンの驚異的なデビューを見て、刺激を受けちゃった」と冗談を飛ばしました。ルディビンがゴールラインを切った際に、驚嘆したボランティアたちは、誇らしそうな子犬の首にメダルをかけて、写真を撮り始めました。

家を抜け出した子犬がレースにもたらした宣伝効果を見てハムリンは興奮を抑えきれませんでした。「これはエルモントで開催された初めてのレースです。クロスカントリーレースに参加している子供たちの親の手で開催が始まりました。一番嬉しいのは、この犬のお陰で宣伝効果が抜群だという点です」と彼女は語っています

Canadian Running Magazineは、ルディビンが非常に大きな衝撃を与えたころから、このレースの名前が「エルモントのハウンドドッグハーフマラソン(Elkmont’s Hound Dog Half)」に改名することになったと報じています。ルディビン最高ですね! 

(大紀元日本ウェブ編集部)