ベルギー刑法改正 臓器売買に最高20年 臓器狩り被害を念頭に

2019/04/26 更新: 2019/04/26

ベルギー連邦議会は25日、刑法修正案を全会一致で可決した。臓器売買に関与する医療機関関係者に対して最高20年間の禁固刑を言い渡すなど、臓器売買で莫大な利益を得る個人や団体に対して、一段と重い刑罰を処すると決定した。

新フラームス同盟(N-VA)のバレリー・バン・ピール議員とキリスト教民主フラームス(CD&V)のフィンセント・バン・ペーテゲム議員が修正案を発起した。4月2日、連邦議会の公共健康委員会において、超党派議員の全会一致で通過した。

修正案は2013年12月、欧州議会が発表した決議案に基づくものだ。欧州議会は当時、中国当局に対して、中国国内で政治犯や、宗教・信仰を理由に拘束されていた法輪功学習者や少数民族を対象にした強制臓器摘出を即時に停止するよう決議案を可決した。

欧州議会は2016年9月、中国当局による政治犯らへの生体臓器摘出を即時に中止することを求める書面声明を発表した。同声明には、欧州議会に在籍する欧州連合(EU)の加盟国28カ国の議員414人が全員署名した。

バン・ピール議員は声明で、いかなる方法でも商業目的での生きた人間からの臓器摘出を阻止すべきだと改めて強調した。ベルギーの法律は臓器売買を禁止している。同議員は、「関連法律をより一段と厳格化する必要がある」と述べた。

刑法修正案は、すべてのベルギー国民を対象にし、医療機関関係者のほか、臓器売買の仲介を行う個人や団体にも重罰を科すとする。また、ベルギー国民が海外で臓器売買に関与した場合も、法に裁かれる。

「中国での臓器移植濫用停止 国際ネットワーク(ETAC)」のメンバーで、ベルギーのルーヴェン・リンブルグ大学(University College Leuven-Limburg)医療保険学科講師のエルケ・バン・デン・ブラント(Elke Van den Brande)氏は、「欧州各国のなかで、ベルギーは先頭に立って、2013年の欧州議会の決議案に呼応した」と評価した。ブラント氏は、他の欧州各国政府もベルギーと同様に、中国当局による強制臓器摘出に対して、毅然とした態度で対処すべきだとの認識を示した。

ベルギー在住の中国伝統気功グループ・法輪功学習者は、修正案が可決された同日、首都ブリュッセルで「4.25平和陳情」20周年記念イベントを行った。

ベルギー法輪大法学会のニコ・ビイネンス(Nico Bijnens)氏は、中国では今でも法輪功学習者を対象にした臓器狩りがされているとした。同氏は、刑法修正案の可決で、ベルギー国民が、中国当局が主導する臓器狩りの加担者になる可能性は低下したと述べた。

(翻訳編集・張哲)

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