米大統領、110億ドルの欧州製品に関税導入表明 EU側も報復へ

2019/04/10 更新: 2019/04/10

[ブリュッセル/パリ/ワシントン 9日 ロイター] – トランプ米大統領は9日、米国は欧州連合(EU)から輸入する110億ドルの物品に対し関税を導入することを明らかにした。

欧米は欧州航空機大手エアバス<AIR.PA>および米ボーイング<BA.N>に対する補助金について互いに不当だと主張し、長期にわたって対立している。

トランプ大統領はツイッターに「世界貿易機関(WTO)は、EUによるエアバスへの補助金が米国にマイナスの影響を及ぼしていると判断した。110億ドルのEU製品に関税をかける!EUは長年にわたり米国との貿易に乗じてきた。こうしたことは近く終わる!」と投稿した。

WTOはこれまで、ボーイングとエアバスへの補助金がともに不当と判断している。

米通商代表部(USTR)は前日、EUによるエアバスへの補助金に対する報復措置として関税を課すEU製品の暫定リストを公表。大型商用機やその部品のほか、乳製品やワインを盛り込んだ。

これを受け、EU筋は9日、EUが対抗措置の準備に着手したと明らかにした。米ボーイングへの補助金を巡り、米製品を対象に報復関税を課す方向で準備しているという。

またエアバスは9日、米政府が同社製航空機に関税を課す方針を示したことについて、法的な根拠はなく、貿易摩擦の悪化を招くと表明した。

フランスのルメール経済・財務相は会見で、双方が友好的な合意に達する必要があると言及。世界経済の鈍化が見られる局面では、「たとえ欧米の航空機業界での特定の問題であったとしても貿易摩擦を起こしている余裕はない」と述べた。

エアバス株価は約2%安。ボーイングは1.4%安。エアバスの供給業者であるサフラン<SAF.PA>やレオナルド<LDOF.MI>も下落した。

*内容を追加しました。

Reuters
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