英議会「代替案」見いだせず、ブレグジット巡る混迷続く

2019/04/02 更新: 2019/04/02

[ロンドン 1日 ロイター] – 英議会は1日、メイ首相の欧州連合(EU)離脱協定案に代わる案を巡り、過半が満足する一致点を見いだせなかった。ブレグジット(英のEU離脱)の将来の方向性は引き続き混沌としている。

この日は4つの代替案が採決にかけられたが、全て否決された。

最も過半に近付いたのはEUとの関税同盟に残留する案で、276対273と3票差で否決された。

いかなる合意についても確認のために国民投票にかけるとの案は最も賛成票を集めたが、292対280で否決された。

英国のバークレイEU離脱担当相は採決後、英国が合意なしで4月12日にEUを離脱するという基本姿勢は変わっていないと指摘。議会に対し「合意ありの離脱につながる道を見いだすのが唯一の選択肢だ」と述べた。

また同相は、欧州議会選挙前の秩序だった離脱を確保するため、メイ首相が自身の案を巡り4度目の採決を週内にかける可能性を示唆。「議会が週内に案を承認すれば、欧州議会選の実施を避けることが依然として可能になる」と述べた。

採決の結果を受けてポンド/ドル<GBP=D3>は約0.5%安の1.3048ドルとなり、採決前からは1%近く下落した。

英政府と与党・保守党内はメイ首相に強硬離脱を決断するよう迫る勢力と強硬離脱の可能性を排除するよう求める勢力とで分断されており、首相がどちらかに同調すれば党とメイ政権が崩壊する恐れがある。

EUのユンケル欧州委員長は「英国がどこに向かっているかは誰も分からない」と嘆いた。

独自動車大手BMWと仏同業プジョーは、当初3月29日だったブレグジットの期日が延期されたにもかかわらず、「合意なきブレグジット」になった場合に部品の供給が寸断されるリスクを最小限に抑えるために計画されていた英工場での生産停止を予定通り実施すると発表した。

英国とEUは4月12日を新たな離脱期限に設定しており、メイ首相が4月10日の臨時EU首脳会議で説得力のある代替案をEU側に示すことができなければ、12日2200GMT(日本時間13日午前7時)に合意なき離脱に突入する可能性が高まる。

*内容を追加しました。

Reuters
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