米国、北朝鮮の民間航路再開を阻止 首脳会談控え戦略=関係筋

2019/02/18 更新: 2019/02/18

[モントリオール/ソウル 18日 ロイター] – 北朝鮮が領空の一部を海外の航空便に開放することを目指す中、これを支援する国連機関の取り組みを米国が阻止したことが、関係筋の話で明らかになった。

関係筋の1人は米国の対応について、今月の米朝首脳会談を控えて北朝鮮に対する制裁圧力を維持する交渉戦略だと指摘した。

192カ国が加盟する国連の専門機関、国際民間航空機関(ICAO)は、北朝鮮と韓国の領空を通過する新たな空路の開設に向けて北朝鮮と話し合いを行ってきた。

航空会社は現在、予告なしにミサイルが発射される危険性から北朝鮮上空を避けるルートで飛行しているが、北朝鮮の領空が安全と認められれば、海外の航空会社はアジアと欧州や米国を結ぶ路線で燃料や飛行時間を削減することが可能になり、北朝鮮は自国の民間航空業界の再活性化に乗り出すことができる。

関係筋2人によると、ICAOは訓練を主導することで北朝鮮の航空システムの改善を支援する用意がある。また、北朝鮮は米国が作成した航空図へのアクセスをICAOに求めたという。

しかし、3人目の関係筋によると、米国は北朝鮮が非核化で大きな前進を遂げるまで「あらゆる交渉材料やインセンティブ」を温存しておきたい考えで、ICAOによる北朝鮮への支援を阻止した。

この関係筋は「北朝鮮が見返りに値する行動をとるまで、米国は抜け穴をふさぐため全ての交渉材料を温存するだろう」と話した。

ICAOは政府に対して拘束力のあるルールを課すことはできないが、加盟国がICAOの安全性基準を承認していることから、一定の影響力を持つ。

米国務省当局者はロイターの取材に対し、外交上のやり取りについてはコメントしないと述べた。ICAOの報道官や北朝鮮の国連代表のコメントは得られていない。韓国外務省は現時点でコメントを出していない。

Reuters
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