チベットに再教育施設 衛星写真で3つ発見=インド専門家

2019/02/15 更新: 2019/02/15

インドのメディア、プリント(The Print)2月12日付によると、衛星写真分析の専門家ヴィナヤク・バット(Vinayak Bhat)氏が、チベット自治区で3つの「再教育施設」を発見したという。

20年間衛星写真を解析する経歴をもつ同氏によると、3つのうちの1つは甘孜自治州にあり、人目を避けるために都市部から遠く離れた僻地に建設されている。当局にとって「監視活動をしやすい造り」になっているという。

現在、チベットでは寺院の改修が行われており、「漢民族の建物」のように作り直されているという。これらの寺院は再教育施設として利用されると同紙は指摘した。

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厚さ5メートルの壁、外壁より外側に張られた2重フェンスが、寺院と周辺施設の外周を囲う。バット氏は、この「疑わしい建物」の中に思想矯正施設があると推測する。

いずれもまだ工事中という3つの施設に、労働作業を行う工場施設、教化目的の建物が見られた。厚くて高い外壁の角に監視塔が設置されている。

中国外交部は数年前、再教育制度(労教)を廃止したと主張した。しかし、新疆ウイグル自治区の「職業訓練センター」と称される再教育施設で、強制労働など非人道的行為が行われていると最近、報じられている。出所したウイグル族や家族は、施設内では拷問や虐待、レイプが行われていると海外メディアに語った。

2018年7月、「チベット人権民主センター(TCHRD)」は、チベット自治区ナクチュ市ソク県の再教育施設に4カ月収容されたことのある僧侶の話を伝えた。それによると、施設内で僧侶らは共産党を称える歌の歌唱と中国語による政治学習を要求されていた。昼間は軍事訓練を受け、夜間は自己批判を強いられていた。また、チベット精神指導者ダライ・ラマ14世および他の僧侶への批判を繰り返し強要された。殴打のほか、尼僧は看守らにより性的虐待に遭っていたという。

無神論を唱える中国共産党はチベットのラマ僧に対して、非人道的な弾圧を加えてきた。チベット自治区では、1958年に共産党によって支配されて以来、6千以上の寺院が破壊された。チベット文化と言語の学習、宗教儀礼の参加も禁じられている。これに抗議するため、焼身自殺するラマ僧は後を絶たない。

(編集・佐渡道世)

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