欧州5G配備 米国は「信用ならない」中国企業のリスクを念押し

2019/02/06 更新: 2019/02/06

米国はこのたび、欧州のNATO加盟国に対して、次世代通信規格5G整備のために中国ファーウェイ機器を購入しないよう呼びかけた。

AFP通信2月5日付によると、米国務省外交官は欧州を周遊中に、北大西洋条約機構(NATO)高官とベルギーのブリュッセルで、また国際会議に出席するためスペインのバルセロナ、ドイツのミュンヘンを巡り各関係者と面会した。

ブリュッセルでの会談で、この米外交官は「非常に強く警戒して欲しい。ファーウェイやZTEなど、信用できない中国企業のサプライヤーと急いで契約しないことを我々は求めている」「あなたの国の安全保障には悪い影響が出る」と警告した。

この米外交官は、知的財産、個人情報、人権問題にまで危険が生じると念押しした。

欧州は現在、ファーウェイの重要顧客となっている。この外交官は、米国政府の優先順位は「強い結束力のある同盟国の欧州」であり、米国の観点から、国家安全保障の要素はより強化する必要があると伝えた。

5Gは膨大なデータ通信を瞬時に高速処理でき、あらゆる製品がインターネットに繋がるIoT時代に必須の通信技術。基幹インフラである電力、エネルギー、交通網、また医療、軍事、宇宙開発など幅広く影響をもたらす。ニューヨーク・タイムズ紙によると、米政府関係者は、5Gが与える社会的インパクトは、電気普及のそれを超えると表現した。

さらに、米国は5G網はゼロサムゲーム(敗者は淘汰される一人勝ちの競争)と確信し、中国当局も占有率拡大に注力している。共産党による専制体制を敷く中国では、個人や企業が諜報役として当局への協力を義務付けられている「サイバー安全法」が2017年施行されており、米国は警戒を強めている。

2018年12月、欧州委員会アンドラス・アンシップ(Andrus Ansip)副代表は、この中国法に関して、同様にファーウェイとZTEを名指しして安全保障上のリスクを加盟国に通知した。

(編集・佐渡道世)