王全璋弁護士に懲役4年半、米独が批判声明「全く理解できない」

2019/01/30 更新: 2019/01/30

米国とドイツ両政府はこのほど、中国人権派弁護士王全璋氏が国家政権転覆罪で実刑判決を言い渡されたことに関して、それぞれ批判の声明を発表した。米政府は、中国当局に同氏の即刻解放を求めた。

天津地裁は28日、王弁護士に対して懲役4年6カ月を言い渡した。

中国当局は昨年12月26日、「国家機密に関わる」として、王弁護士への審理を非公開と決めた。王氏の家族の傍聴を認めないほか、国内メディアに対して関連報道の規制を指示した。

米国務省は29日に公表した声明で、王全璋氏は司法審理を受けるまで3年半以上拘禁され、弁護人を依頼する権利もはく奪されたことに強い懸念を示した。国務省は、中国当局に対して、王氏をその家族の元に帰し、直ちに釈放せよと要求し、今後も中国での法治・人権などの悪化に注視していくと表明した。

ドイツ政府も28日、王全璋氏への判決について声明を発表した。声明は、同判決について「全く理解できない」と非難した。また、ドイツ政府は中国当局に対して、「法によって国を治めるという基本原則を順守せよ」と求め、王全璋氏に対する審理が公開されなかったことに懸念を示した。

中国当局は2015年7月9日、いわゆる「709事件」で、王全璋氏などの国内人権派弁護士と人権活動家を一斉拘束した。王全璋氏は、強制土地徴用や強制立ち退きの被害者、法輪功学習者の弁護を引き受けていた。拘束後、妻との面会は許されなかった。

米国務省は声明で、王全璋弁護士は709事件で拘束された人権派弁護士のうち、「最後に判決を受けた人だ」と述べた。

(翻訳編集・張哲)

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