インドネシアで津波 火山による海底地すべり起因か 62人死亡 数百人負傷

2018/12/23 更新: 2018/12/23

インドネシアの災害当局によると、22日夜に発生した火山活動による海底地すべりは津波を引き起こし、スマトラ島とジャワ島で少なくとも62人が死亡、数百人が負傷した。さらに何百もの家が全壊、倒壊しており、多数の行方不明者が出ている。

国家災害当局報道官Sutopo Purwo Nugroho氏によると、津波はアナク・クラカタウ火山の活動による海底地すべりによって引き起こされ、新月による高潮は被害の規模を拡大させた可能性があると述べた。噴火活動は津波発生の24分前に起きた。

報道官によると、最も深刻な被害を受けた地域は、ジャワ島のバンテン州Padenglang地域で、人気の美しいビーチのある観光地Ujung Kulon国立公園が含まれる。同地域から33人の死者が出ているという。

被災映像の一部としてショッキングな映像が出回っている。豪州テレビABCのインドネシア支局担当デービッド・リプソン氏はSNSで、津波発生時にTanjung Lesungビーチリゾートでコンサートを開催していた韓国の音楽バンド・セブンティーンと観客が被災する映像を掲載。ステージ背面から襲ってきた津波により、演奏者や観客が押し流された。現地報道によると、バンドメンバーの1人と家族は犠牲になったという。

世界の地震を観測する米国地質学研究所によると、この地域では22日当日、大型地震は観測されていない。

クラカタウは活発な噴火活動を継続する火山島。航空路火山灰情報センター(VAAC)によると翌23日、クラカタウ火山は大規模に噴火し、噴煙が火口から約1万6千メートルまで上がった。

大規模な火山の噴火は山の斜面を崩壊させ、津波を引き起こす可能性がある。類似する例として、日本の災害記録によると、18世紀雲仙岳の噴火で眉山が崩壊し、津波が対岸の肥後国(熊本)を襲った島原大変肥後迷惑がある。

(編集・佐渡道世)

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