大紀元時報

3羽のツバメと子どもたちの物語

2018年12月15日 18時54分

中国には「捜神記」という古くから伝わる書物があり、神話や超自然現象に関する伝説や短編物語が収められています。「捜神記」というタイトルは、日本語では「聖なるものを求めて」や「超自然を求めて」などという意味です。

「3羽のツバメと子どもたちの物語」

「捜神記」には、「3羽のツバメと子どもたちの物語」という面白い話が収められています。

あるところに3人の息子を持つ周という学者がいました。息子たちは成長し大人になりましたが、口で音を発することができてもなぜか話すことができませんでした。

ある日、たまたま周氏の家を通りかかったある男が「1杯の水をもらえないか」と周氏に頼みました。周氏が水を持って来る間、3人の息子たちの声を聞いた男は「これは誰の声ですか?」と尋ねました。周氏は「私の息子たちです。彼らは口で音を出すことはできるが、話すことはできないのです」と答えました。

男は「なぜあなたの子どもたちは話すことができないのでしょうか。何か思い当たる点はないですか?」と尋ねました。「もしかすると、この男は普通の人ではないかもしれない」と考えた周氏は、少しの間考えを巡らせ、「本当に何も思い当たる節がないのです」と答えました。すると男は「もう一度考えてごらんなさい。あなたがまだ若い時の記憶にきっかけがあるかもしれません」と問いかけました。

男からアドバイスを受けた周氏は、自分の過去をさらに深く掘り下げました。しばらくして周氏は次のように語りました。
「若い頃、家の壁にツバメの巣があり、中には3羽の小さなツバメの雛がいました。親鳥が巣から離れると雛は食べ物を求めて鳴き、親鳥が帰ってくると雛は口を開けて食べ物を入れてもらうのを見ていたのです」

「私は親鳥がいなくなる時を狙って、3羽の雛に触ることもありました。ある日、私が捕まえてきた虫を雛に与えたところ、それを食べた雛が死んでしまったのです。巣に戻ってきた親鳥は、その日はさえずりませんでした。子どもたちが眠っていると思ったのでしょう。しかし、子どもが死んでしまったと気づいたとたん、親鳥は大きな声で悲鳴を上げ、どこかに飛んで行ってしまったのです」

「私はあのとき自分がしたことを後悔しています」と、周氏は語りました。辛抱強く周氏の話を聞いた男は、「あなたの過去の過ちと3人の息子さんには関係があるかもしれません」とつぶやくと、「あなたには過去の罪を悔い改める道が与えられています。なぜならあなたは過去の行為に良心の呵責を感じているからです。悔い改めるならば、あなたの罪は取り除かれるでしょう」と男は言いました。

男は周氏の心遣いに感謝の気持ちを表すと、その場を去っていきました。ほどなく周氏は何かに気づきました。なんと3人の息子たちは言葉を話せるようになっていたのです。

我々は物語から何を学べるのか

現代に生きる私たちはこの物語から道徳を学ぶことができます。すなわち、内なる自己を見つめ、間違いを悔い改められる人に対して、天はその人の罪を許してくれるかもしれないということです。世界中の宗教、特に仏教では「ある人が他人を傷つけた場合、その人はその後の人生で贖いをしなければならない負債を生み出したことになる」と説かれています。

この話の中で、ツバメの親鳥は幼い子どもを失うという苦痛を受けました。同様に、周氏は息子たちが言葉を話せないことで苦痛を受けてきました。しかし周氏は自らの内面を見つめなおし、過去に犯した大きな過ちを自覚して過去の罪を悔い改めました。だからこそ、周氏の息子たちの苦痛は解決されたのではないでしょうか。過去の過ちを悔い改めて生きてゆけば、私たちが今現在抱えている悩みや苦痛も、やがて解決する時が来るかもしれません。

(翻訳・今野秀樹)※看中国から転載

関連キーワード

関連特集

^