G20、アルゼンチン警察当局が法輪功学習者を一時拘束 中国大使館の指示か

2018/12/06 更新: 2018/12/06

中国伝統気功の法輪功を学ぶアルゼンチン学習者は11月29日、同国首都ブエノスアイレスで活動中、地元の警察当局の妨害に遭い、複数名が一時拘束された。同日、G20首脳会議が現地で開催され、学習者らは中国の習近平国家主席一行に対して、中国国内で法輪功学習者への弾圧を停止するよう呼びかけた。

専門家は、中国の駐アルゼンチン大使館が同国警察当局に指示した可能性が高いと指摘した。

同日、習主席が宿泊するヒルトンホテルの付近では、厳戒態勢が敷かれ、多くのフェンスが設置された。法輪功学習者はフェンスに、中国語とスペイン語で「法輪功への迫害を中止せよ」「江沢民に法的裁きを」と書かれた横断幕を掲げて、平和的に活動を行っていた。

法輪功は学習者の人数が多いことなどから、1999年7月以来、当時の国家主席江沢民の決定で中国で弾圧されている。

米中国語テレビ放送「新唐人テレビ」(1日付)によると、同日午後、同じ服を着た約千人の中国人は、赤い旗を持ちながら突如、法輪功学習者の周りに集まり、学習者の姿が外から見えないように囲み込み、学習者に罵声を浴びせた。赤い旗を持つ集団は中国大使館と現地の親中団体が中国代表団を歓迎するために集められた人たち。

目撃者によると、中国大使館の職員とみられる人物が、私服警官と話を交わした後、数名の警官が現れ、何も言わずに学習者らの横断幕を撤去した。

アルゼンチンの法律では、横断幕などを使った陳情活動が認められている。個人の私物である横断幕を奪う行為は違法である。

警官と学習者の間で小競り合いが起きた。その間、一人の警官は警棒で女性法輪功学習者の手を力強く叩いた。もう一人の警官も、警棒を使って後ろから男性学習者の首を絞めつけていた。

いっぽう、赤い旗を持つ中国人らはこの混乱に乗じて、学習者らを背後から攻撃し、横断幕を強奪しようとした。学習者が所持したチラシも破られた。

中国大使館に集められた中国人が、法輪功学習者の呼び掛け活動を妨害した(スクリーンショット)

地元警察当局責任者は、法輪功学習者のかばんに「爆弾がある」と発言し、警官らに調べるよう命じた。

法輪功学習者のかばんを検査する警官ら(スクリーンショット)

警察当局は、学習者9人を連行し、翌日全員を解放した。

一時拘束されたアルゼンチン人法輪功学習者のメイリン・クレマン(Meilin Klemann)さんによると、一人の女性警官は「上層部からの命令だった」と話した。

学習者のジェレマイア・アラウズ(Jeremiah Arauz)さんによると、警官は「ここでは赤い旗を持つ人たちしか活動できないと、上司から言われた」と言った。

在米中国時事評論家の横河氏は、「明らかに中国大使館からの圧力があったため、アルゼンチンの警官らが乱暴な対応した」と指摘した。

新唐人テレビのコメンテーターを務める唐靖遠氏は、中国当局による他国への内政干渉を証明する好例となった、との見方を示した。

アルゼンチン法輪大法学会は、中国大使館がアルゼンチン警察当局に働きかけ、今回の妨害を企てたとの声明を発表した。学会は今後、法的手段を取る構えだ。

2014年にも習近平主席がアルゼンチン訪問中、中国大使館員が法輪功学習者に暴力を振るったとして、逮捕された。

(翻訳編集・張哲)

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