米最大の医師会、中国の臓器移植ビジネス化を防ぐ決議案を準備

2018/11/26 更新: 2018/11/26

米ワシントンで11月11日に開催された米国医師会の年次総会に向けた事前会議で、臓器移植手術の「非人道的な虐殺とビジネス化」を防ぐための決議案が医師会評議委員会に提出された。

米国医師会は国内の医療ポリシー、公共衛生、倫理を決定する中心的役割を果たす。このたび、臓器移植に関する決議案は米医師会コロンビア地区代表チームから評議委員会に提出された。文書では、中国では共産党政権の都合で収監された無実の人々が、強制的に臓器を収奪されているとの問題を再提起し、米医学会が世界の模範的態度を示すよう求めている。

1.移植外科医、特に移植手術の訓練のために米国に来る人物は、必ず米医師会の倫理ガイドラインに同意しなければならない。米国の医療機関および病院はいかなる倫理違反または利益相反にも加担しない
2.中国の臓器移植の臨床は、独立した学術的で透明性ある調査が受け入れられなければならない
3.米国政府は、移植目的の渡航者に対して、米国と同じ透明性と倫理基準が適応されなければならない

米国医師会コロンビア地区医師会の代表ジョセフ・グティレス博士は決議案提出に際し「中国における強制的な臓器摘出についての報告書が増加していることに強い懸念を抱いている」と述べた。

中国の臓器移植業界について、2016年にカナダの人権弁護士デービッド・マタス氏、同国政府の元アジア太平洋地域担当大臣デービッド・キルガー氏、在英ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏が発表した調査報告書『血塗られた臓器狩り/大虐殺―更新版』によると、中国では年間6〜10万の臓器移植を実施している。中国衛生部は約1万件と発表している。

報告書によると、中国共産党政府は、大規模な精神と宗教の自由を弾圧するために「大量の法輪功学習者、ウイグル人、チベット人、家庭教会信者の殺りくに関わっている」と指摘している。

グティレス博士は、一般市民および医療界は依然として強制臓器収奪問題の深刻さを認識しておらず、メディアの報道は不十分だと指摘した。

ジョージワシントン大学メディカルセンターの臨床教授で米国医学会の前評議委員長レイモンド・スカレター博士は、決議案を支持すると述べた。「米医師会は世界の医師会のなかでも重要な役割を担っている。会がこの問題を解決する手段をとることができるはずだ」「米国のみならず世界の医師会で一致させるべき意見で、中国政府も決定を順守する必要がある」とスカレター博士は付け加えた。

生命倫理問題に取り組む医師会「臓器の強制摘出に反対する医師会(DAFOH)」代表トルステン・トレイ医師は、「世界はホロコースト(ナチスのユダヤ人に対する大虐殺)で医療手段を使った虐殺を目撃したはずだ。しかし、(中国の臓器狩りのように)体系的に臓器を収奪し収益化するというビジネスモデルと大量虐殺の合体を見たことがないだろう」と大紀元の取材に答えた。

DAFOH副代表ウェルドン・ギルクリス医師は、中国の臓器収奪システムは政府レベルで計画的に、組織的に行われていると指摘する。海外における移植希望患者や医療関係者は、これに「共謀」しないよう呼び掛けている。

「私たちは、2つの点で共謀者になる恐れがあることを懸念している。2つの点、一つは、倫理に反して臓器を求めに中国に渡る渡航移植、そして中国医師に移植技術を指導して、中国国内で臓器を強制摘出し移植手術をさせることだ」

(ジェニファー・ジェン/翻訳編集・佐渡道世)

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