世界の原油需要、EV普及や燃費効率改善が一段と抑制へ=IEA

2018/11/13 更新: 2018/11/13

[ロンドン 13日 ロイター] – 国際エネルギー機関(IEA)は13日、世界エネルギー見通しの2018年版を公表し、電気自動車(EV)の普及や燃費効率の改善によって2040年までに原油需要がこれまでの予想以上に抑制されると指摘した。ただ、同年より前に需要が頭打ちになるとは見込んでおらず、生産拡大に十分な投資を行わなければ、供給は依然として逼迫(ひっぱく)する可能性があるとした。

IEAの中心シナリオでは、原油需要は2025年までは年平均で日量約100万バレル増え、その後は日量25万バレルに年平均の伸びが鈍化し、需要は2040年に日量1億0630万バレルでピークを打つ見込み。

IEAは2040年の需要見通しについて、「短期的な伸び加速や米国での燃費効率に関する政策転換を主な要因に前年の見通しから日量100万バレル超引き上げた」としている。

2040年までに路上を走行するEVは約3億台を見込み、前年の予想を維持したが、これにより需要は日量330万バレル抑制されるとし、前年の予想の日量250万バレル以上に需要が抑えられるとの見方を示した。

燃費効率の改善による需要抑制の度合いはさらに大きく、日量900万バレル以上になる見込みとした。

中国やインドを中心に途上国では原油需要の伸びが続く一方、先進国では2040年までに年平均で日量40万バレル超の減少が見込まれるという。

供給サイドでは世界最大の生産国である米国で2025年までは生産の伸びが続くものの、その後は減少し、石油輸出国機構(OPEC)の市場シェアが現在の約30%から2040年までに45%に拡大すると見込んでいる。

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Reuters
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