台湾・歴史文化にふれる旅@三義木彫編

三義(さんぎ)地方の木彫りの発展の歴史は、郷民であった呉進寶氏が1918年に拾った枯木を加工し装飾品を製作したことから始まります。日本統治時代の日本人に芸術品として好まれ、呉氏は日本人とともに枯木で作る芸術品をいかにして大量生産するか再考を重ねました。

当初、三義の木彫り作品は、神像や伝統的な工芸品が主でしたが、近年では個性豊かな創作品が精力的に製作され、さまざまな題材をテーマにした彫刻作品が次々と生み出されて、多くの人々を魅了しています。

「三義木彫博物館」は、台湾で唯一の木彫りをテーマにした公立の博物館です。館内では精巧な木彫り芸術品を中心に、各国の土着の民族木彫り作品と台湾の木彫り芸術品が展示されています。

三義木彫博物館が位置する苗栗(びょうりつ)県の南側に位置する三義郷は、大安溪と台中市后里(こうり)区に接しており、東北部には標高567mの三角山と銅鑼(どうら)郷の村(新隆村と興隆村)があります。三義郷は南北気候の境界線上にあるため、三義の天気は複雑で変わりやすいと言われています。特に冬と春のシーズンにはっきりと現れ、よく「四時皆夏、一雨成秋(普段は夏の如(ごと)く暑いと思っていたのに、雨が降れば一変して秋のように変わる)」とうたわれています。毎年11月から翌年の3月にかけて、もうもうと霧が立ち込め、三義一帯は雲海に覆われたようになります。またその情景は、仙境を思わせるため、「台湾霧の都」と呼ばれていました。苗栗県三義では、クスノキがたくさん植林されています。クスノキは香りがよいので、人々から親しまれてきました。2001年からは、毎年三義郷で「三義国際木彫りフェスティバル」を開催しています。地方の特色を取り入れ、内容も大変豊富に企画されているため、イベントは楽しさとアートで満たされています。展示会会場では、木彫りの美しさに触れ、ステージでは、芸術文化あふれる舞台上演が楽しめます。DIY(しろうとが何かを自分でつくったり修繕したりすること)体験で木の楽しさも教えています。知性あふれる楽しいイベントにどうぞご期待下さい。