核合意参加国、イランとの貿易維持へ取り組み継続で合意

2018/09/25 更新: 2018/09/25

[国連 24日 ロイター] – 米国の離脱を受けてイラン核合意の存続を目指す英仏独の欧州3カ国と中国、ロシア、イランは24日、原油を含むイランとの貿易維持に向けた仕組み作りに引き続き取り組むことで合意した。

当事国は高官級会合後に発表した共同声明で「参加国は早急に目に見える成果を出す必要性に留意し、イランの原油を含む輸出に関する支払いを容易にする特別目的事業体(SPV)を設置する構想をはじめ、決済手段の維持・構築に向けた現実的な提案を歓迎した」と表明した。

複数の欧州外交筋はSPVについて、金銭のやり取りをせずにイラン産原油と欧州の製品を交換するバーター制度を設ける構想だと説明した。11月に再開される米国の制裁で、イラン産原油の取引に関与した銀行が米金融システムから締め出される事態を回避する狙いがある。

欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表は会合後に記者団に対し、SPVの設置は既に決定済みであり、専門家が再び会合を開いて詳細を詰めると述べた。

その上で「実際には、イランとの合法的な金融取引を可能にする法的枠組みをEU加盟国が構築することを意味し、欧州企業がEU法に従ってイランとの取引を継続できるほか、域外の国も枠組みを利用できる可能性がある」とした。

ただ外交筋やアナリストの間では、米国が制裁法を修正してバーター取引を禁止する可能性があることから、SPV設置は結局、制裁を回避する手段にならないとの見方も強い。

フランスのベテラン外交官は「全ての選択肢を維持することで、扉が閉まりそうになっていないというシグナルをイランに送ることが重要だ」と述べた。

*内容を追加しました。

Reuters
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