[6日 ロイター] – 英海軍の揚陸艦アルビオンが中国が主権を主張する南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島付近を航行したことが、2人の関係筋の話で明らかになった。海軍の報道官は「航行の自由」に関する権利を行使したと説明した。
関係筋によると、日本国内と周辺での活動を終えた同艦は、ベトナムのホーチミンに向かう途中で西沙諸島近くを航行。ホーチミンには3日に到着した。
関係筋の1人は、中国はアルビオンに警告するため、現場海域にフリゲート艦1隻とヘリコプター2機を派遣したと明らかにした。ただ、双方ともに冷静な対応を取ったという。
別の関係筋は、アルビオンが領海に入ることはなかったが、西沙諸島周辺海域の過剰な領有権の主張を英国が認めていないことが示されたと説明した。領海は海岸線から12カイリ内の海域とされている。
西沙諸島は中国が実効支配しているが、ベトナムと台湾も領有権を主張している。
英海軍の報道官は「アルビオンは国際法・規範に完全に則り、航行の自由について権利を行使した」と説明。
中国の外務、国防両省はこれまでのところコメントの求めに応じていない。
米海軍は過去に西沙諸島周辺で、軍艦を航行させる「航行の自由作戦」(FONOP)を実施しており、他国にも同様の行動を取って協調するよう呼びかけている。
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