中国当局、「豚肉を控えて」ネット投稿者を拘束 やり放題の言論統制

2018/09/01 更新: 2018/09/01

中国当局によるインターネット上の言論統制は無法状態になっている。ネット投稿の内容で罪を問われたネットユーザーが相次いでいる。「豚肉の食用を控えて」のような日常会話も「デマ」として取り締まることは、国内で物議を醸し、批判を浴びている。

山東省の一部地区が台風の影響で大規模な被害に見舞われ、大量の家畜が洪水で死亡した。同省寿光県の公安当局は26日、公式微博(ウェイボー Weibo)で、ネット投稿には「疫病に関するデマや捏造(ねつぞう)」の疑いがあるとしてネットユーザー2人を拘束したと発表した。

ネットで公開されたスクリーンショットなどによると、拘束された24歳の女性が25日午前、WeChatの友人や親戚のグループで、「豚肉の食用を控えて、家の中で消毒液を多めにかけるように」と発言をした。別の女性ユーザーは自身のWeChatでこの発言と洪水被害に関する写真を転載し、のちほど拘束された。

それと同時に、深セン市宝安区沙井街道に住む20代の女性は23日深夜、ネットで批判的な意見を書き込んだため、自宅に押し入った警察官7人に逮捕状無しで強制連行された。

女性は事前に設置したカメラで現場の状況を録画した。映像によると、女性は呼び出しに関する手続きの提示を求めたさい、ひとりの警察官が「ネットで何を言ったか」「違法かどうかおまえが決めることか」など大声で女性を叱りつけた。最後に抵抗した女性を押さえて警察署に連行した。映像がインターネット上にアップされ、当局のやり放題の無法状態を批判する声が相次いだ。

インターネットでは国民を敵とする中国の法律に絶望感が広がり、批判する論調が目立った。「現行の中国憲法では政党が国家をコントロールしている。この政府は国民を欺くための道具と飾りにすぎない」などの書き込みもあった。

(翻訳編集・王君宜)

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