中国でアフリカ豚コレラ感染拡大=米サイエンス誌

2018/08/22 更新: 2018/08/22

中国で、豚やイノシシに感染するアフリカ豚コレラASF)の発生が拡大している。中国農業農村部によると、今月1日、中国遼寧省瀋陽の養豚場で1例目が確認された後、このほど河北省と江蘇省でもASFが発生した。

米誌サイエンス(21日付)は、ASFは中国東北部の4つの省で確認されたと報じた。中国農業大学の楊涵春教授はサイエンスに対して、中国は世界最大の豚肉生産国であるため、ASFの感染拡大は中国経済に「壊滅的な打撃を与えかねない」との認識を示した。

産業情報サイト「中商情報網」は今年3月、2017年世界の豚肉生産総量は1億1103万4000トンだったと伝えた。中国の生産量は5340万トンと世界の約48.1%を占め、旺盛な豚肉需要を反映した。

また「中商情報網」の2月の報道によると、17年中国豚肉の輸出量は前年比5.67%増の5万1300トン。

サイエンスによると、専門家は中国産豚肉の輸出に伴い、感染が世界各国に拡大すると強い懸念を示した。

ASFは人に感染しない。しかし、ASFに感染した豚やイノシシの致死率が非常に高い。ASFウイルスは、豚やイノシシの死体やフン、生や半生の豚肉加工品で約数週間生きる。現在、有効なワクチンはなく、感染した豚には殺処分が行われる。

中国農業農村部の調査では、すでに今年3月に遼寧省瀋陽でASFが流行していたという。専門家は、ASFの感染経路について輸入豚肉が原因だと分析する。

サイエンスによると、当局はASFに感染した豚の殺処分を急いでいる。瀋陽市だけで9000頭の豚が殺処分となった。

(翻訳編集・張哲)

※記事内容に誤りがあり、訂正いたしました。謹んでお詫び申し上げます。

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