中国株 上海総合2年ぶりの安値、住宅政策転換・経済指標悪化などで

2018/07/03 更新: 2018/07/03

中国株式市場が続落している。主要株価指数の上海総合は7月2日、2800大台を割り込み、前週末比2.5%安の2775.56で取引を終えた。2年ぶりの安値となった。

米中貿易摩擦への強い懸念に加えて、中国当局の住宅市場政策の転換と製造業関連経済指標の低迷が株安の主因となった。

中国国内メディアによると、6月25日中国当局は、国内バラック地区再開発の金融支援を一時中止する方針を示した。中小都市の住宅市場の過熱感を抑えることが目的だという。

中国当局は、国内住宅在庫の削減を目的に、2015年にバラック地区改造政策を実施した。この政策で、当局はバラック地区の住民に対して、一定の補償金を支給し新たな住宅購入を促している。

中国人民銀行(中央銀行)は、PSL(担保付き補完貸出)を通じて、政策性金融機関に対して、バラック地区改造や農村部の道路整備など経済政策において重要な分野に、資金を3~5年の期間で担保付きで貸し出す。報道によると、当局は当面バラック地区改造政策を停止し、PSLでの流動性を引き締める意向だ。

報道を受け、中国株式市場では6月25日から、不動産関連銘柄の弱気相場が続いた。PSLでの資金供給を受ける中国国家開発銀行は、不動産企業に対してバラック地区改造関連の融資を行っていると声明を出した。しかし、株市場では不動産関連銘柄が引き続き下落した。

この影響で6月29日だけで、中国A株式市場と香港株式市場では、不動産関連銘柄で合計約3000億元(約4兆9890億円)の時価総額が消えた。

一方、経済指標の悪化で、中国経済の先行き不透明感が一段と鮮明になった。

中国国家統計局が6月30日に発表した6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.5となった。5月の51.9から低下した。

PMIの構成指数である輸出受注指数は、6月が49.8と前月の51.2から大幅に低下した。景気改善と悪化の境目である50を下回った。米中貿易摩擦の激化が響いた。

また、中国メディアの「財新」と英調査会社マークイットが発表した6月のPMIは51.0で、前月の51.1から0.1ポイント低下した。中国当局が公表したPMIと同様に、輸出受注が減少した。新規受注も軟調となった。

業界関係者は、米中貿易摩擦の長期化の影響で、中国の製造業PMIがさらに悪化する可能性が高いと推測している。

日本時間3日午後0時24分現在、上海総合は前日終値比47.11ポイント(1.70%)安の2728.44で取引されている。

(翻訳編集・張哲)

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