英とEU、離脱清算金で近く合意か 他の2項目の交渉巡り懸念も

2017/11/29 更新: 2017/11/29

[ブリュッセル 29日 ロイター] – 英国の欧州連合(EU)離脱に向けた交渉で、バルニエEU首席交渉官は29日、ベルリンで開かれた会議で、離脱清算金を巡る英国との合意を今後数日中にEUに報告できるよう望んでいると語った。

また、英国がEU側の要求(600億ユーロ)に近い500億ユーロ前後を支払う意向を示し、EU側がこれをおおむね承諾したとする英紙の報道についてロイターの記者に問われると「そこまで至っていない」と回答。交渉が継続中であることを強調した。

メイ英首相の報道官はこの報道について「憶測」だと述べた。ただ、多くのEU当局者は今回の報道は英政府関係者が情報源とみている。

アイルランドのフィル・ホーガン欧州委員は、英国は「英国以外のEU加盟27カ国の要求にかなり見合った提案を示した」と述べた。

英国はEUとの一連の交渉で、2019年のEU離脱後の貿易条件に関する協議入りを望んでいるが、EU側は離脱交渉の3つの重要項目である、離脱清算金の支払い合意、在英EU市民の権利保証、アイルランド国境問題の解消を優先すべきと求めてきた。

EUのバルニエ首席交渉官は、3項目を巡る協議は続いているとし、12月14─15日のEU首脳会議で、英国との交渉を貿易条件などの次の段階に進めるのに「十分な進展」があったと報告できるよう望んでいると述べた。

交渉官は12月4日にメイ首相および欧州委員会のユンケル委員長と会談する予定。メイ首相は12月のEU首脳会議で離脱交渉の進展が認められるためには、4日が3項目に関する提案を示す「最終期限」としている。

複数のEU外交官はロイターに対し、英国側がここ数日の間に、離脱後のEU分担金などの支払いを口頭で約束したと明らかにした。

一方、離脱清算金を巡る合意によって他の2つの重要項目の交渉で、英国が要求を強める可能性を懸念する声もある。

*内容を追加して再送します。

Reuters
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