豪不動産仲介業者、外国人投資制限の影響懸念 中国の連休控え

2017/10/02 更新: 2017/10/02

[シドニー 1日 ロイター] – オーストラリアの不動産業界は、中国の国慶節の連休を控えて中国人による投資が増えることを期待しており、豪州における最近の外国人向け規制変更の影響が出ないよう願っている。

昨年の国慶節の連休中、中国人の海外旅行者は600万人となり、豪州にとっての重要性が高まった。

今年6月までの1年間、中国人旅行者数は外国人全体の6分の1未満だった一方、支出では全体(318億米ドル)のほぼ4分の1に達した。

国慶節の連休が1日に開始し、豪州の不動産業者はキャッシュを潤沢に持つ中国人客を歓待。ヘリコプターやリムジンを用意して、1000万―2500万豪ドルクラスの高級物件を案内した。

仲介業者のシドニー・サザビーズ・インターナショナル・リアルティでマネジングディレクターを務めるマイケル・パリアー氏によると、豪州にいる家族を訪問しに飛行機で来た人々が滞在中に物件を見ているといい、連休中に発生した数件の取引だけで、売り上げは4000万豪ドル(3133万米ドル)相当になる可能性があるという。

中国人投資家をワインやディナーでもてなし、彼らを乗せてロールスロイス・ファントムを運転したというパリアー氏は、外国人による購入を制限するための国内増税や規制変更で、市場はより困難になっていると主張。ロイターに対し「2年前くらいから起きたことの影響で、取引は減っている」と述べた。

豪州で人気のある南東部ニューサウスウェールズ州やビクトリア州では今年、外国人による不動産購入にかかる税率が引き上げられた。さらに連邦政府は、外国人投資家が所有物件を1年のうち6カ月以上空き家にした場合、罰金を科す方針を示した。

仲介業者によると、これに対し、中国人投資家から即座に反応があったという。

豪中ビジネス協議会・ノーザンテリトリーのダリル・ガピー会長は、海外投資を制限する中国の新規制により、豪州はより激しい競争にさらされることになると予想。ロイターとの電話インタビューで1日、「資金を持ち出すのが難しければ、人はお金を使うのがもっと簡単なところに行くだろう。豪州はもはや、そのリストには入っていない」と話した。

昨年に海外で2610億米ドル使った中国人旅行者は、休暇を自宅か国内で過ごす「ステイケーション」を選ぶことが増えている。

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Reuters
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