食の安全

中国食品偽造問題にブロックチェーン 先端技術でも防げない不正

2017年08月09日 20時21分

 ワインバーグ氏の会社は、デジタル技術を駆使して、食品偽造問題に対応するビジネスを展開している。たとえば、本物と偽物を見分けるために、自社開発の専用機器で食品の「遺伝子フィンガープリント」「分子のタグ」を管理。つまり、ネット上の分散型台帳システムといわれる「ブロック・チェーン」技術を利用して、農場から家庭に届くまでのルートを追跡している。

 上海拠点のコンサル企業チャイナ・マーケット・リサーチ代表ショーン・レイン(Shaun Rein)氏 は、「消費者はどこから製品がきたのか、知りたがっている」と同紙の取材に答えた。「中国から流通する食糧はグローバルサプライチェーン全体の一部であり、(食品ブロックチェーン)が果たす役目は大きい」とレイン氏は語る。

 食品関連の大手企業はブロックチェーンをすでに導入している。中国に400店舗を置く米大手スーパー・ウォールマートは昨年10月から、中国流通において豚肉にこのサービスを使っている。今年の6月も、上海のIT関連企業・衆安科技も同様に、鶏肉で、ブロックチェーンを駆使して養鶏場、加工工場、市場、販売店舗の流れを記録するサービスを発表した。

最先端技術でも不正は防げない

 しかし、情報は偽造しにくいブロックチェーンの技術だが、食品偽造問題においては「対処法」に過ぎない。ワインバーグ氏の会社は、提供情報の分析を基本としているが、提供された情報が嘘である可能性はある。真偽の判別は困難だ。ワインバーグ氏が扱う情報は、中国で仕事をする欧米の会社のものだという。

 「不誠実なデータ提供者はいる。ブロックチェーンを使っても、個々のデータを細かく調べなければ食品の偽造を防止することができない」とワインバーグ氏は語った。

 国際刑事機構(インターポール)で違法製品を調査するマイケル・エリス氏は、「世界の工場」と呼ばれる中国は、規模が大きく、係わる人口も多く、複雑な行政部門という特徴があり「あらゆる業界の隅々に、不正にお金を稼ごうとする犯罪者がいる」と指摘する。

 エリス氏は、食品偽造を阻止する努力を続けなければ、この不正な産業の「爆発的な成長は続き、もはやどこに導かれるか、誰にもわからない」と、グローバルに広がる食品詐欺が人々に与える有害さを警告した。

(翻訳編集・佐渡道世)

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