身体と栄養

肥満はタンパク質不足が原因か=米研究

貧困層のラテンアメリカの女性に見られる肥満について、タンパク質が足りないことが原因であるとする論文が発表された。これまで、肥満の原因は炭水化物や脂肪と考えられてきたが、今回の論文はそれに一石を投じることになりそうだ。

コロラド大学アンシュッツ医学キャンパスとコスタリカ大学の研究者らは、コスタリカに住む女性の食事をサンプルとして分析を行った。それによると、人間はタンパク質の摂取量が少ない場合、より多くのカロリーを摂取しようとすることが分かったという。科学者らは、ある一定量のたんぱく質を摂取しない人は、それを補おうとするために食べ続けて肥満になりやすいと指摘する。

研究者らによると、貧困層に属する女性には肥満の人が多く、彼女たちのタンパク質の摂取量は他の社会層の女性に比べて低い。一方、タンパク質の摂取量が増えると、彼女たちの食事全体のカロリーは減っていった。また、タンパク質とカロリー消費の関係については、貧困層だけでなく、他の社会層の女性でも顕著にみられたという。

今回の研究は、ランダムに選ばれた米国のサン・ノゼに住む女性135人を対象に、食事の内容やBMI値に関する調査を分析して行われた。

論文は、『American Journal of Human Biology』に掲載された。研究チームは、タンパク質と肥満の関連性について結論付けるには時期尚早であり、より慎重な研究が必要だとしている。

(翻訳編集・張ミョウ)