金正男「暗殺」不測の事態に備え、中国は中朝国境に兵力増員

2017/02/16 更新: 2017/02/16

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が13日、マレーシアで北朝鮮の工作員に殺害されたとみられる事件で、中国当局は不測の事態に備えて、中朝国境に約1000人の人民解放軍兵士を増員した。韓国メディアによると、これまで中国は共産党の一勢力「太子党」と繋がりのある金正男氏を保護し、金正恩政権の暗殺計画を白紙にしてきたという。

香港に本部を構える「中国人権民主運動情報センター」によると、中国人民解放軍は14日夜から15日早朝に、中朝国境に1000人の兵士を増員した。

人民解放軍第16集団軍が北朝鮮との国境警備を担当。国境前線部隊に約7000人の兵力を有する。これまでも、北朝鮮で権力移行などの大きな事件が起きると、中国当局は国境の兵力を増員してきた。

中国当局は保護してきた金正男氏が暗殺されたことに神経をとがらせているようだ。

中国共産党、太子党に近い金正男氏 将来指導者として保護

韓国メディア「朝鮮日報」は2010年に韓国政府情報筋の話として伝えたところによると、金正恩氏の後継者内定後、北朝鮮当局は金正男氏の暗殺を謀ってきたが、中国当局は「われわれの地盤(勢力範囲内)で金正男に触れるな」と同氏を保護し、暗殺計画を白紙にしてきたという。

韓国情報機関は、中国共産党高層指導部の子弟からなる「太子党」と深い交友関係を持つ金正男氏に関して、中国当局は金正恩政権が崩壊する場合、金正男氏を新たな指導者に擁立する狙いがあったと分析する。

日本のメディアによると、金正恩政権の元ナンバー2・張成沢(チャン・ソンテク、金正日の妹婿)氏が、北京で当時の国家主席の胡錦涛氏と密談。金正恩氏を失脚させ、金正男氏を新たな指導者に擁立することについて相談したという。しかしこの情報は漏えいし、2013年、張氏は処刑された。

一方、金正男氏は生前、日本のメディアに対して、「三代世襲に反対」「弟に北朝鮮人民の生活向上に最善を尽くすことを要望する」などと話していた。

(翻訳編集・張哲)

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