廃棄するべき医療器具、使いまわしで5人にHIV感染=浙江省

2017/02/10 更新: 2017/02/10

浙江省東部にある浙江省中医学病院で最近、廃棄するべき医療機器を再利用したために、5人がHIVウィルスに感染したという。保健家族計画委員会の9日の声明で明らかになった。 中国では、HIV感染の報告が公開されるのは比較的まれ。

声明によると、医療スタッフは、HIV感染者を治療するための管を別の患者へ再利用するという「重大な手続きの違反」を犯したという。浙江省の保健当局によると、同病院院長と共産党書記は免職処分となった。

この出来事は病院から1月26日に報告されたという。いつ、どのように発生したかについては詳細を明かしていない。英語メディアSIXTH TONEの取材を受けた匿名の病院関係者は、血液検査や輸血による感染ではないと述べた。

中国では、1985年から2005年にかけて、湖南省でHIV感染者からの献血が混入した血液製剤により、3~5万人がHIVに感染したという重大な医療事故が起きている。新規のHIV感染診断者は、血液製剤によるものが全体の4分の1。他の当局者は、実際の感染者はさらに多いとも主張している。

今回の声明は、中国市民に怒りと不安を与えた。ネットでは「地方の病院は信頼できる手続きを取らないのか?」「今回の件は公開された。私たちの知らない件もあるのでは?」などの声があがった。

中国保健当局の 2015年の報告書によると、性行為を通じたHIV感染は増加している。 2014年に異性の接触を通じた感染は新規の診断例の66.4%を占め、同性は25.8%を占める。

中国国務院(内閣)は5日、エイズ対策の5か年計画を発表。国内のエイズの流行は深刻さを増し、同性愛者間や学生の感染が増加していると指摘した。また、中国の2014年末までに50万1000人のHIV/エイズ感染症例が報告されているという。しかし、報告されていない症例は数字にふくまれていない。

 (翻訳編集・佐渡 道世)

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