台湾のおすすめ温泉特集

一足先に春を満喫 北台湾で桜と温泉と美食

台湾はこのごろ気温が上がり始め、日中は20℃を超える日が続いています。台湾は100カ所以上の温泉が湧き出る温泉大国で、最近は台湾への温泉旅行が人気を集めています。一足先に春の訪れを満喫できる北台湾で、オススメの温泉スポットを6つご紹介します。温泉にのんびり浸かって心も体もリラックス、さまざまな旬の料理を味わえる北台湾まで、足を運んでみてはいかがですか?

 ◆天然の化粧水、烏来温泉

新北市(台北から電車で約1時間)にある烏来(ウーライ)温泉、泉質は二種類、炭酸泉と炭酸水素塩泉で、皮膚が柔らかくしっとりし、やけどや炎症を抑え、傷痕の回復にも効果がある。観光客センターに無料の足湯ができ、露天の公衆浴場もあり、誰でも無料で湯を楽しめる。内洞の滝、烏来吊り橋、雲仙楽園、観光トロッコ、原住民の文化など、地方特有のものを楽しめる。 1~3月の「桜祭り」には、毎年多くの観光客が訪れる。

春の新北市では、桜や温泉が満喫できる(Getty Images)

 原住民の料理

烏来には古くから少数民族のタイヤル族(台湾原住民で2番目に人口が多い)にが住み、老街にはたくさんのタイヤル料理のレストランが並ぶ。ロースト豚肉、温泉卵、山胡椒チキンスープ、米酒、もち米を竹筒に入れて炊いた竹筒飯、地元の川エビのフライ、そして地元の山菜を炒めた料理が味わえる。

 ◆疲労回復に効く、金山温泉

金山温泉は、台北の北端の海に面している。台湾の海底温泉の一つで、温泉に浸かりながら、海を眺めることができる。中性の炭酸泉、酸性硫黄泉、アルカリ性硫黄泉、白硫黄泉などを含み、温泉水質は弱酸性。海底温泉は湧き水と鉱物イオンが混合して、特殊な硫黄泉となり、美容、疲労の回復などに効果がある。

 有名な鴨肉料理とサツマイモ

金山といえば、有名な鴨肉の名店で「金包里老街鴨肉」がある。店には立派な門があり、観光客が次々と吸い込まれるように入っていく。味のよい鴨肉はしっかりと肉汁を含み、こってりとした鴨肉は美味で、一度食べると忘れられない。また、土と潮風の影響を受けたサツマイモはとても甘くて柔らかく、そのまま食べても良いが、焼きイモ、煮イモ、イモ餅、イモチップなど様々な食べ方がある。

◆花が美しい、陽明山温泉

旧称「草山」という陽明山温泉は、台北市の火山・大屯山地区に位置し、春の季節には花見ができる。泉質は白硫黄泉と青硫黄泉の二種類で、頻繁な火山活動によって、温泉の中に含まれる鉱物成分も違ってくる。各温泉は泉質、水温、効果も異なり、それぞれの特色を持っている。陽明山の温泉に来れば、国家公園で散歩、竹子湖の海芋(カラーの花)摘みの体験、冷水坑温泉、牛乳湖などの美しい景色を鑑賞ができる。陽明山の四季は常に花とともにあるが、春は最も美しい花の季節とされている。

足の裏の角質を食べてくれる温泉魚(鄭宜芬撮影)

 美景と美食

陽明山は気温が比較的に低く、肥沃な土壌と豊かな水源を擁するため、山の野菜は甘くてさわやかな口当たりだ。農家の山地鶏もとても美味である。ここにあるレストランの街は、昼と夜の風情が異なり、百万夜景と言われ、ロマンチックなデートやプロポーズに最適な景勝地と言われる。

 

◆日本の温泉? 北投温泉

北投温泉(台北から電車で約40分)の大きな特徴は、ひとつの温泉地で白硫黄泉、青硫黄泉、鉄硫黄泉の3種類の泉質の湯を楽しめるという点である。1895年、日本人が北投温泉を開発したため、飾りから風情まで日本の温泉文化が感じられる。新北投支線が開通して新北投駅ができ、温泉が盛況となった。 近年、ホテルや高級スーパーができ、多くの日本人観光客が訪れている。周辺には北投図書館、温泉博物館、北投児童楽園など、たくさんの施設がある。

北投温泉公園の近くにある地熱谷(ウィキペディア)

 老舗「排骨酥(スペアリブ)」

地位の高い人たちが接待や社交場とした昔の北投は、本場の料亭料理が欠かせなかった。老舗「排骨酥(スペアリブ)」はその当時から現在まで続いている店のひとつ。また、北投の市場では、台湾の人気グルメ、魯肉飯(ルーローファン、煮込み豚肉かけご飯)がお店で食べられる。

 ◆肌がすべすべ、礁渓温泉

宜蘭県の礁渓温泉(台北から特急で約1時間半、バスで約1時間)は、炭酸水素ナトリウム泉に属し、水質は透明で、フェノールが含まれているため、浸かれば皮膚病に、飲めば胃腸病に効能があるという。入浴後は肌がすべすべになるため女性にも人気が高い。駅から出ると、駅前にも無料の足湯があり、街中には至る所に無料の足湯が点在している。礁渓温泉の周りに公園が二つあり、夜にも露天の足湯に浸かって温まることができる。 周辺には、五峰旗滝、林美磐石歩道、サル洞窟滝などの観光スポットがある。

 温泉の甘みがある野菜

礁渓は温泉の街だが、温泉を使用して栽培された「温泉野菜」もとても有名だ。エンサイ、トマト、ヘチマ、マコモダケは甘くてみずみずしく立派に育ち、「温泉野菜の四宝」と呼ばれている。現地の葱を使って作った葱油餅(ツォンヨービン)、葱肉巻は、葱の臭みが全くなく、新鮮で口当たりが良い。また、薄いクレープ風の皮にピーナッツの粉をふり、その上にアイスクリームをのせて巻いたスイーツ、「花生巻冰淇淋」(アイスとピーナッツのクレープ巻き)も名物の一つ。温泉で足湯に浸かりながら、ラーメンを食べるのもおもしろい。

宜蘭のお菓子「糕渣」(ガオザ、スープコロッケ)、日本人好みの味でもちもちした食感(鄭宜香撮影)

「美人の湯」尖石温泉

新竹県の尖石(台北から新幹線と電車で約2時間)は四面に山を囲まれ、山水は秀麗で、まるで「桃源郷」だという。山林の中で温泉に浸かると大自然と一体になったように感じる。尖石温泉は炭酸水素ナトリウム泉で、「美人の湯」と呼ばれている。付近には内湾老街、北埔老街、香衣草森林、北埔冷泉などの観光スポットがある。

尖石温泉の周りの景色(鄭宜香撮影)
尖石温泉(鄭宜香撮影)

 内湾の客家料理

内湾は伝統的な老街、客家(ハッカ、漢民族の一支流)文化、吊り橋を特色としている。水質が良いため、チョウザメを養殖している。野生姜の葉で包んだちまきが街のあちこちで売られている。客家料理は梅干扣肉(豚のこってりした部分を梅菜の香りと塩みで引き立てている)、福菜スープ、粄条(米きしめん)があり、食後は甘くておいしい健康茶、擂茶(レイチャー)を飲めば、客家料理を一通り堪能できる。

(翻訳編集・真子)